元のバージョ

総合情報

総合情報
臨床薬理学研究:薬物開発評価に関する意思決定の根拠
时间: 2014-04-25 |クリック回数:

2014年4月17日、「中国医薬報」の第7版に、国家食品医薬品監督管理総局医薬品審査センターの張学輝氏、卓宏氏、王涛氏、魯爽氏が共同で署名した論文が掲載された。テーマは「臨床薬理学研究:薬物開発評価に関する意思決定の根拠――創薬や区臨床試験における臨床薬理学研究に関する一般的な考慮」である。以下のとおりに、この論文全文を転載する。

臨床薬理学は薬物と人体の相互作用のルールを研究する学科であり、薬理学と臨床医学を基礎とし、薬物代謝動態学(以下「薬動学」と略称。)や薬物効果動態学(以下「薬力学」と略称する。)や副作用の性質とメカニズムおよび薬物相互作用ルールなどについて詳述することで、薬物臨床試験の重要な部分である。臨床薬理学の研究を理性的に展開して評価するために、本稿は国内外の臨床薬理学研究関係指導原則を踏まえたうえで、創薬臨床試験における臨床薬理学研究関係内容を全体的に述べる。監督管理機構や業界と学術界が議論を展開し、共通認識を形成するよう期待し、薬物臨床研究・薬物開発と評価に臨床薬理学的な意思決定の根拠を提供するよう目指す。


臨床薬理学研究の基本任務

薬物臨床試験における臨床薬理学研究の基本任務は、法律と倫理の要求に適う現在の最良科学技術の手段を活かし、臨床薬理学とバイオ薬剤学のデータを提供し、新薬臨床試験申請(IND)と新薬上場申請(NDA)における薬物安全性と有効性評価をサポートすることである。その研究内容は薬物が人体に与える効果(薬力学と副作用)、人体の薬物対処(薬動学)、用量‐暴露量‐効果関係、薬物相互作用、特別患者に対する臨床薬理学、薬物遺伝子配列学、定量薬理学と統計分析などである。臨床試験の段階によって、臨床薬理学の研究任務と内容も違ってくる。論述の便宜上、以下は臨床試験を早期臨床(Ⅰ~Ⅱa期)と後期臨床(Ⅱb~Ⅳ期)という二段階に分けることとする。


早期臨床における薬理学研究

早期臨床試験のほとんどは臨床薬理学関係研究である。早期臨床試験は薬物非臨床研究(主に毒理学試験、薬動学試験と薬力学試験を指す。)の結果を踏まえ、その結果を、人体を対象としての耐性試験、薬動学試験と薬力学試験を行なう。その主要目的は非臨床研究における動物試験の結果を概念検証を行い、人間と動物の種の差異を分析すること、薬物を人体に使用する場合の安全性と有効性を初歩的な評価をし、研究と開発を継続するかどうかを決定すること、研究と開発を継続する場合、後期臨床試験で有効性とリスク管理のバランスを取れた用量と投与方案の選定に参考にすることである。

1、初回人体試験における薬物用量の選択

初回人体試験は創薬新薬開発における重要な里程標の一つである。種の差異がまだ完全に明らかにされていない状況では、本試験は安全性リスクの最も高い臨床試験であるため、試験のデザインと実施を慎重に行わなければならない。試験実施中、最大推奨用量の計算方法については国内外における関係指導原則を参考にすることができる。最大用量は動物毒性試験の結果または同類製品の用量によって決定され、臨床通常用量の上限に相当し、又はやや高い用量にする必要がある。

2、耐性試験

治療を目的としない耐性試験の場合は、健康なボランティアまたはある種類の患者を対象として行われる。倫理学と科学性を考慮して、潜在的な毒性薬物(例えば細胞毒性薬物。)を含む耐性試験は、普通に、患者を研究対象とする。耐性試験を行う際には、薬動学研究の展開に合わせれば、安全性関係の暴露量-効果関係性データをより多く獲得できる。試験結果は被験者の一般状況に対する分析(例えば用薬前後の症状、バイタルサイン、実験室での検査など)を含まなければならない。各用量の各観察指標とその結果、毒性反応およびその原因の分析を説明した上で、耐えられる用量や毒性反応などの最終結論を出す。 現在、我国の新薬開発プロセスでは、心臓関係安全性評価への注目は不足しており、全面的なQT/QTc(TQT)試験の実施もやや少なく、研究技術もデータ品質も外国との距離がある。非臨床または臨床試験の段階で、把握したQT/QTc延長の結果によって、有効性とリスクの評価を行い、TQT試験を実施する必要があるかどうか決定したほうがよい。

3、臨床薬動学研究

早期の臨床試験は、一般的に健康な被験者を対象として以下の研究を行う。

(1)単回投与に関する薬動学研究。

(2)反復投与に関する薬動学研究。

(3)経口製剤の場合、飲食の影響に関する研究も必要。

(4)人体の薬物代謝物の確証、バイオ転化、物質バランス、代謝物の薬動学および生物活性などの研究。

(5)人体にしか現れない代謝物、又は人体での含有量がほかの既知または評価済みの実験用動物の種よりかなり高い代謝物の場合、非臨床安全性評価の実施を考慮に入れるべき。

(6)薬物代謝と関連する体外研究の整備。例えば、血漿タンパク質結合率、薬物代謝酵素と運び手の類型、抑制と誘導などの研究。

(7)遺伝多様性・薬物遺伝子配列学と関連する体外研究の整備。

現在、我国の臨床薬代動力学研究の申請資料の中に、多くは単回投与、反復投与と飲食の影響のみを研究してきた。そして、上述の第4-7項目における研究は行ってこなかった又は未熟なものでしかなかった。その点について、申請者と研究機構が重視し、今後の研究で改善するよう期待している。申請者は研究への投入を増加し、研究機構は研究水準を高め、審査機関は逐次に審査基準をレベルアップさせる必要がある。

4、臨床薬力学研究

薬力学研究は独立的な試験を行ってもよいが、多くは薬動学-薬力学(PK-PD)と結合するモテルで行われ、一般的にⅠb、Ⅱaの段階で目標適応症の患者を選んで実施される。目標適応症患者の病状が薬物の薬動学に重要な影響を与えるため、一般的に目標適応症患者に関する薬動学と薬力学の研究が同時に行われる。研究項目は単回投与と反復投与の両方又はそのいずれかのPK-PD研究を含む。集団的薬動学の研究をも行われる。

薬力学の研究を行う際には、選択した効果終点(臨床終点または代替終点、生物標記物)の基礎と測定方法を重点として考慮しなければならない。効果終点を選択する際には、一般的には、以下の要素を考えなければならない。疾病の発病メカニズムとプロセスとの関係性、薬物作用メカニズムとの関係性、検査測定方法の実行可能性である。効果終点は、一つでも多数でも選択することが可能で、多数の効果終点はより多くの情報を提供できる。有効性終点も安全性終点も選択可能である。

5、用量-暴露量-効果関係

用量-暴露量-効果関係は薬物安全性と有効性を決めるポイントであり、用量、剤形、投与ルート、投与方法を決める根拠である。臨床試験の早期段階においては、安全性と有効性関係の暴露量-効果関係を全体的に研究、考慮すれば、後継の臨床試験に、合理的な用量範囲と投与方法を推薦できる。それゆえ暴露量-効果関係研究は早期臨床薬理研究の核心である。

現在、用量(投与ルートを含む)と暴露量(血漿濃度などの薬動学バラメーター)の関係(線状または非線状、長期投与時薬動学データの随時変化など)の研究技術は比較的成熟している。薬理効果(薬力学バラメーター)の大小は効果発生部分の薬物濃度と直接関わり、暴露量(薬動学バラメーター)は通常血漿濃度によるものであるため、暴露量-効果関係は比較的複雑である。血漿濃度と比べると、臨床で測定した薬理効果の発生時間は通常遅れたり、持続的なものだったりして、暴露量‐効果に偏移量を存在するようになった。研究目的及び行われた測量によって、暴露量‐効果関係は安定した状態で、時間延長に伴っての暴露量‐効果の波動という影響を考えていない状態で取得することもできるし、投与期間又は単回投与後の異なる時点の血漿濃度と効果を探究することも可能である。

6、分析方法の確立と検証

分析方法を確立する際には、以下のことを考慮しなければならない。

(1)どのような生物サンプル(例えば、血液、尿液、糞、涙とほかの特別サンプル)を採集しなければならないか?

(2)どのような成分(例えば、原型薬物、代謝物、生物標記物、薬物抗体など)を測定しなければならないか?

(3)測定対象は遊離薬物か、血漿タンパク質結合薬物か、総薬物か?

(4)どのような分析方法(例えば、クロマトグラフィー、免疫方法、微生物方法および関係生物サンプルの処理方法など)を選択するか?

(5)内源性物質の基線控除方法。

分析方法を検証する際には、考慮する要素は、選択性(マトリックス効果)、正確さ、精密さ。回収率、標準曲線(作業範囲、濃度‐効果関係および曲線継手技術、品質制御サンプル)。敏感度(定量下限)。再現性。安定性等である。希釈因子と残留効果を考慮する場合もある。生物サンプルを分析する際には、品質制御計画とデータ受け基準を制定しなければならない。分析ロットごとに標準曲線を新たに作成し、合理的に品質制御サンプルロッドにはさむ必要がある。一部のサンプルは重複測定を行う必要がある。分析実験室は厳しい品質管理体制を確立し、マニュアルを作成し、分析方法と検査測定データの再現性と真実性を確保しなければならない。


後期臨床薬理学研究

後期臨床試験の段階で、臨床薬理学関係研究を継続する必要があり、その研究は特殊患者群の臨床薬理学研究、薬動学相互作用研究と薬力学相互作用研究を含む。その主要目的は、内在要素(年齢、性別、疾病、遺伝多様性など)と外在要素(薬物、飲食、喫煙など)が暴露量(と/又は効果)に与える影響を研究すること、これらの暴露量の変異が有効性又は安全性に与える影響を評価すること、把握した暴露-効果関係と変異状況によって要素ごとに用量と投与方案を調整することである。

1、特殊患者群の臨床薬理学研究

特殊患者群の内在要素は通常、薬物の暴露と効果に変異をもたらし、それらの変異は薬物の有効性と安全性に影響を与える。臨床試験中、研究結果を利用して特殊患者群の用量と投与方案を調整し、取扱説明書の情報になる必要がある。主に関係指導原則に従って以下の特殊なヒューマングループに関する研究を行わなければならない。老人、児童、性別、人種。腎臓機能損害。肝臓機能損害。薬物遺伝子配列学関係グループ。妊娠と哺乳期間のグループ。薬物の有効性と安全性評価にとって重要なほかのグループの人体要素。

2、薬物相互作用研究

患者の薬物混用(薬物、薬草)または生活習慣(飲食、喫煙と飲酒)などの外在要素は通常、薬物の暴露と効果に変異をもたらす。これらの変異はまた薬物の有効性と安全性を影響することもできる。臨床試験中、一般的には、薬物相互作用の研究を行い、相応しい用量調整方案を提出する必要がある。また一般的には、臨床相互作用研究際に、以下の要素に考慮する必要がある。

(1)体外薬動学相互作用研究の基礎を有する体内薬動学相互作用研究については、通一般的には、薬物がCYP酵素の基質であるかどうか、代謝は遺伝の影響を受けるかどうか、薬物はCYP酵素の抑制剤と/又は誘導剤であるかどうか、薬物はP-糖たんぱく質の運び手の基質と/又は抑制剤であるかどうか、ほかの代謝/移転ルートがあるかどうかを考慮する。

(2)添付書の中に明確された薬物混用の状況およびその他の目標患者群の薬物混用に与える可能な薬動学と薬力学の相互作用を評価する必要がある。

(出所:中国医薬報2014-04-17)

Produced By CMS 网站群内容管理系统 publishdate:2024/03/27 01:54:42