2013年10月17日、国家食品医薬品監督管理総局は「国家薬物乱用モニタリング年次報告書（2012年版）」を発表した。2012年、全国の薬物濫用モニタリング機関は「薬物乱用モニタリングネットワーク情報管理システム」を通して31の省（自治区と直轄市）の薬物濫用者から調査サンプルをとった。主なモニタリング対象は麻薬中毒者強制収容施設、自発的に麻薬をやめる中毒者向けの更生施設、コミュニティにおける薬物乱用者向け医療施設、拘留所などが収容した薬物乱用者である。

　 薬物乱用モニタリングの対象者は各年齢層に存在し、学歴も社会的地位も異なる。そのうち、男性が88.3%、中学卒業およびそれ以下の学歴を持つ人は83.3%、無職の人は66.7だった。

　 年次報告書では、2012年度我国の薬物乱用モニタリングの全体状況が分析され、ヘロイン、新型合成麻薬、医療用麻薬および新規薬物乱用者の状況が重点的に記述され、2008年から2012年までのモニタリングデータを使用して縦の比較が行われ、最近の五年間の我国における薬物乱用状況変化の特徴がまとめられ、今後の見通しが出された。分析の結果は以下のとおりである。

一、ヘロインとエフェドリンが乱用される主な麻薬で、エフェドリンの乱用者が増加する傾向だ。

2012年、薬物乱用モニタリング対象者が過去12カ月で乱用した薬物は、伝統麻薬として知られるヘロイン、アヘン、大麻、コカインのほか、新型合成麻薬のエフェドリン、エクスタシー、ケタミン、マグピールとほかの薬物を含んでいる。そのうち、ヘロインとエフェドリンは薬物乱用モニタリングの対象者が乱用する主な薬物である。

　 最近の5年間のモニタリングデータを比較してみると、薬物乱用モニタリングの対象者のうち、ヘロインを乱用する者の割合は年々下がっており、18.8%も減った。エフェドリン乱用者の割合はやや高くなり、14.9%も増えた。

二、新型合成麻薬乱用者は新規薬物濫用者のメインになった。

　 2008年と2012年のモニタリングデータを比較してみると、新規薬物乱用者の構成状況が明らかに変化したことをわかった。新規薬物乱用者のうち、ヘロイン乱用者はしだいに減り、占めた割合も70.3%から23.6まで下がった。エフェドリンなど新型合成麻薬の乱用者の割合はしだいに高くなり、28.8%から75.1%に増加した。新型合成麻薬乱用者は新規薬物乱用者のメインになっている。

三、25歳およびそれ以下の青年と少年は薬物乱用防止の重点的な目標。

　 2012年度のモニタリングデータによると、25歳及びそれ以下の若い世代は薬物初回乱用者の1/2を占めている。新型合成麻薬を乱用する女性のうち、60％以上は初めて薬物を乱用する年齢が25歳かその以下になっている。現在の薬物乱用状況では、25歳およびそれ以下の乱用者、特に低年齢層の女性乱用者をターゲットとし、薬物乱用関係の更生教育を行うのは、新型合成麻薬乱用の予防にとって重要である。

四、ヘロインと新型合成麻薬乱用者の交差、混合型薬物乱用問題が目立っている。

　 モニタリングデータによると、ヘロイン乱用モニタリング対象者による多種類薬物の乱用は依然として普遍的である。そのうち、ヘロインと新型合成麻薬の二種類の薬物を乱用する人による交差、混合型薬物乱用問題が目立っている。

五、医療用麻酔薬品と精神薬の乱用は年々減少する傾向。

　 モニタリングデータによると、2008年から2012年まで、薬物乱用モニタリング対象者による医療用麻酔薬品の乱用は全体的に減少する傾向にある。薬物乱用モニタリング対象者のうち、医療用麻酔薬品と精神薬の乱用・使用者の割合は2008年の30.0%から2012年の8.2%まで下がった。

　 「国家薬物乱用モニタリング年次報告書（2012年版）」は我国の薬物乱用状況が依然として厳しく、新型合成麻薬が流行る傾向にあり、新型合成麻薬乱用を有効に予防、治療することが最も重要だということを示している。

（出所：CFDAサイト2013-10-17）